ヨツバムグラ
(四葉葎)
アカネ科 ヤエムグラ属
Galium trachyspermum

日当たりのよい道端や畑のわき、田の畔に多い高さ20〜50pの多年草。 花期は5〜6月で、北海道から九州に分布する。葉が4個ずつ輪生するので この名がついた。

 

 
 アカネ科のヤエムグラ属で日野市内で確認されているものは、ヨツバムグラの 他にヤエムグラ、ヒメヨツバムグラ、オオバノヤエムグラ、ヤマムグラ、ヤブ ムグラにヨーロッパより帰化したハナヤエムグラの7種類です。ハナヤエムグラ は1年草、ヤエムグラは1、2年草で、生息数はヤエムグラが圧倒的に多いです。
 2番目に多いのはハナヤエムグラで、多摩平団地の芝生内に多く見られます。
 3番目に多いヨツバムグラも多摩平団地の芝生内でけっこう見かけます。
 4番目に多いのはヒメヨツバムグラ。
 後のオオバノヤエムグラ、ヤマムグラ、ヤブムグラはとても珍しく、探すのに 苦労するほどです。特にヤブムグラは、東京都の保護上重要な野生生物種Aランク (国のレッド・データ・ブックの「絶滅危惧種に相当)に指定されています。
 

 

ヨーロッパより帰化したハナヤエムグラ

茎に下向きの刺が多いヤエムグラ

ヒメヨツバムグラ 毛は少ない

ヤマムグラの特徴は

花冠の裏に毛が生えている
 

 
 それぞれを見分けるポイントは、
  • 花期。最初(4月頃から)に咲くのはヤエムグラです。ヨツバムグラ、ヒメ ヨツバムグラ、ヤマムグラは5月頃。ハナヤエムグラは5、6月。オオバノヤエ ムグラとヤブムグラは、夏(7、8月)に花が咲きます。
  • 茎の下向きの刺の有無。刺があるのは、ヤエムグラとオオバノヤエムグラ。
  • 果実の毛の有無。果実に毛がないのは、この7種の中ではヤブムグラだけです。
  • 花弁の裏の毛。これは本当に珍しいと思うのですが、ヤマムグラだけが、 面白いことに花弁の裏に毛が生えています。
 ヨツバムグラは、これら7種の中では全体に毛深い方です。また花柄が短いのも 特徴です。全体の大きさは、個体差がけっこうあるので、あまりあてにはできません。
 これらのことを観察して覚え、あなたもヤエムグラ属博士になって下さい。
 

 
※解説文の作成にあたっては、主に山と渓谷社発行のポケット図鑑 1・2・3、山渓ハンディ図鑑1・2を参考にさせて頂いています。
 

 
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