ツルボ(蔓穂)

別名 サンダイガサ(参内傘)

ユリ科 ツルボ属
Scilla scilloides


 山野の日当たりのよいところに生

 える高さ20〜40センチの多年

 草。葉は2個根生し、長さ15〜

 25センチの扁平な線形。花茎に

 は普通葉がつかない。地下に卵球

 形で黒褐色の外皮に包まれた鱗茎

 があり、ネギのようなにおいがす

 る。花期は8〜9月で、日本全土

 に分布する。




 日野市内では、夏の終りから初秋にかけて咲き出します。ツルボの語原

は定かでないようですが、蔓穂の字を当てることが多いようです。昔公家

が参内する時に使った柄の長い傘をたたんだ形に花穂が似ていることから、

別名をサンダイガサ(参内傘)といいますが、あまり一般的な呼び名では

ありません。日当たりのよい草原に多いので、日野市内では多摩平団地内、

神明上第9緑地辺りや、栄町と新町の境にある東光寺緑地に多く見られま

す。


 何年か前に東光寺緑地に行った時、誰かが地面を掘り起こ

した跡があり、その穴の中から右の図に描いたようなものが

飛び出していました。このままでは枯れてしまうと思い、植

え直して印をつけておいたところ、夏の終りになって花が咲

き、これがツルボだと判りました。

 *萌芽更新する前の東光寺緑地は日当たりが悪く、ツルボの

花も目立ちませんでしたが、萌芽更新をして日当たりがよく

なったとたんに、今までやっと生きていた株が一斉に元気に

なって花を咲かせていました。 今年も9月6日に東光寺緑

を見て来ましたが、群生しているものが丁度満開でした。


*萌芽更新 10年以上経った雑木林は木々が大きくなり過
ぎ、日の当たらなくなった木が枯れて倒木がでたりするので、
範囲をきめて一斉に木を根元から切り、切り株から出た萌芽
の中の勢いのいいものを育てて、雑木林を若返らせる方法の
ことをいいます。
 昔は炭や薪をとるために、このような作業が行なわれてき
ました。日野市内には炭焼き窯が3箇所ありますが、どれも
近隣住民からの煙に対する苦情のために使用されていません。
短期間(1日)ほどで焼き上げる炭焼き方法に変えないと、
都市での炭焼きは無理かもしれません。



  
市の緑地の花は
市民皆の花です。
とらずに皆で楽
しみましょう。


 
'01.4.7 葉の根元が赤っぽい

 
'97.9.3 蕾のついた花茎が伸びてきた

 春先に伸びだす若葉は、黄緑色をしていて柔らかく、上の写真のように

なぜか根もとの部分が赤くなっています。花の咲く頃には葉が少なくなっ

ている株が多いです。

 
ピンク色の可愛い花


 
日当たりのよい場所の方が
花の色が濃くなるようです。



※解説文の作成にあたっては、主に山と渓谷社発行のポケット図鑑
 1・2・3、山渓ハンディ図鑑1・2を参考にさせて頂いています。


※このホームページをご覧になったご感想、植物に関
するご質問、情報、ご意見、エピソードなどございま

したらに 「みどりの掲示板」お書き込みください。