オニノヤガラ
(鬼の矢柄)
ラン科 オニノヤガラ属
Gastrodia elata

矢を地面に突き刺したような形から、この名前がついた。雑木林の林内に 生える葉緑素のない腐生植物(ふせいしょくぶつ)花期は6〜7月で、 北海道から九州に分布する。

 

 
 地中のナラタケ菌糸と共生しているらしい。地下に肥厚した塊茎ができ、 地上部に養分を取られると、中空になって行くという。そして、養分が残って いる時には細長い地下茎を伸ばして、ナラタケの菌糸から養分をとり、新しい 塊茎つくるという。
 花や花茎が淡黄白色のものをシロテンマ。また、地上部に多少葉緑素があって 緑色を帯びるものをアオテンマと呼ぶという。
 生きているものから養分をとって生きる植物は寄生植物といい、死んだもの、 腐ったものから栄養をとつて生きる植物を腐生植物といいます。
 日野市内に生息する腐生植物として、以前ご紹介した植物に大変お詳しい播本 正常さんの調査によりますと、ギンリョウソウ、ギンリョウソウモドキが確認され、 マヤランは記録だけあるとのことです。
 これはわたしの想像ですが、クロムヨウラン、クロヤツシロランあたりも市内に あるかも知れないと思います。それで目下調査中です。何か情報がありましたら、 お知らせ下さるよう、よろしくお願い致します。
 

 

花は終っている様子

葉が退化した跡か?

こちらは赤くない(市内の別の場所)

アオテンマかシロテンマか?
 

 
 2001年6月10日の緑地管理ボランティアの活動日に、板橋から参加して下さった 中山力さんが、東光寺緑地でたくさんのオニノヤガラを見つけて下さいました。 翌日あらためて詳しく調べてみたところ、4箇所に合計13本のオニノヤガラを 認しました。
 東光寺緑地に通うようになってからの最多の数です。
 

 
※解説文の作成にあたっては、主に山と渓谷社発行のポケット図鑑 1・2・3、山渓ハンディ図鑑1・2を参考にさせて頂いています。
 

 
※野草に関するエピソード、情報などがありましたら  「みどりのサロン」にお書き込みください。