映画 Triage

晴れ
監督のダニス・タノヴィッチは戦場カメラマン出身で、ノー・マンズ・ランドという作品でカンヌ国際映画祭脚本賞とアカデミー外国語映画賞を受賞しています
 最近観た映画から、これはお勧めですという映画を。原題が Triage で、邦題が 戦場カメラマン 真実の証明。triage(トリアージ)には、災害救急医療での傷病者分類の意味があります。地下鉄サリン事件や、秋葉原連続殺傷事件、また最近では東北地方太平洋沖地震の時のように大勢死傷者がでた場合、その場で傷や病状の度合いを判断して治療の優先順位をつける作業のことをいいます。主演の戦場カメラマンには、コリン・ファレル(Colin Farrell)その恋人役に、パス・ベガ(Paz Vega)、恋人のお祖父ちゃんで元精神科医に、吸血鬼俳優だったクリストファー・リー(Christopher Lee)。舞台となった中東のクルディスタンでは、クルド人がイラク軍と戦っているのですが、医療設備もない彼らの部隊では戦いごとに負傷者をこのトリアージしなければならないのです。回復の見込みがある兵士には黄色い札を、見込みのない兵士には青い札を置いて行く。そして回復の見込みのない兵士は、外に運ばれて医師が銃で安楽死?させて行く。まあ、そんな戦地を撮影に行った、仲のいい若い戦場カメラマンふたりの話なんですが、邦題の 戦場カメラマン 真実の証明 のタイトルには少々がっかりです。トリアージのままの方がいいと思います。ラストシーンでも、主人公がこの青と黄色の札を持っていましたし…。あまり書くと観る楽しみがなくなるのでこれ以上書きませんが、アクションだけでなくとても内容のある映画です。泣きながら観ました。

※ 余談ですが、Christopher Lee は、Internet Movie Database で検索したら、身長が 1.96m もあるそうです。1922年のお生まれで、この映画が撮られた 2009年当時は、87才ですからお元気ですね。

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